簡易宿泊所と民泊新法(住宅宿泊事業法)の違いは?サルでもわかるメリット・デメリット

こんにちは。民間リゾート請負人の田口です。

私たちが専門に扱う「民間リゾート」は主に簡易宿泊所という旅館業許可を取得、運営しています。ですが、近年流行りの「民泊」という言葉に惑わされ、適切な宿泊事業が行われていない事態に陥ています。旅館業許可と民泊新法の違いについて説明します。大切なお話です。ぜひ、目を通してください。

日本には旅館業許可という宿泊業を行うための許可があります。この許可は各地域の保健所で発行してもらうことができますが、基本的なことは多くのWEBサイトでも書かれています。

▼日本にある旅館業種別(旅館業法)

引用:http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/seikatsu-eisei04/03.html

【旅館業の種別】
旅館業にはホテル営業、旅館営業、簡易宿所営業及び下宿営業の4種がある。

(1)ホテル営業
洋式の構造及び設備を主とする施設を設けてする営業である。

(2)旅館営業
和式の構造及び設備を主とする施設を設けてする営業である。いわゆる駅前旅館、温泉旅館、観光旅館の他、割烹旅館が含まれる。民宿も該当することがある。

(3)簡易宿所営業
宿泊する場所を多数人で共用する構造及び設備を設けてする営業である。例えばベッドハウス、山小屋、スキー小屋、ユースホステルの他カプセルホテルが該当する。

(4)下宿営業
1月以上の期間を単位として宿泊させる営業である。

ここでもわかる様に旅館業法のなかに「民泊」という言葉は出てきません。新法も「住宅宿泊事業法」となっていますよね?新法のなかには「家主居住型」「家主不在型」とわけていますが、民泊ではないのです。

簡易宿泊所を取得する意味

民間リゾートを運営するにあたり、必要な許可が簡易宿泊所です。他の3つ(ホテル・旅館・下宿所)でもよいのですが、許可を取得するための規制やルールが厳しく現実的ではありません。その為、宿泊所を運営するのであれば「簡易宿泊所」を取得する必要があり、消防・建築基準・都市計画(用途地域)のルールに準じた許可を得る必要があるのです。

民泊の許可ってあるの?

俗称として世間に広まっていて間違えやすいのですが、「民泊」という旅館業許可は日本にありません。

近い言葉で民宿がありますが、民宿という許可もありません。これらの運営を行うには「簡易宿泊所」の許可が該当します。

民泊新法は旅館業許可なの?

旅館業許可と、民泊新法(正式名称:住宅宿泊事業法)は別物です。

Airbnbを筆頭に宿泊をテーマにしたシェアリングサービスは素晴らしく、今後も流行りの傾向がですが、宿泊事業(他人を泊めて、継続的に対価を得る)の一環ですので、許可を取る(国が出す)必要があるのです。つまり、通常の旅館業の様にルールがあり、違反すれば同様に罰せられます。

なぜ許可制度があるの?

なぜ、旅館業許可を取る必要があるのか判り難いと思うので簡単に説明します。

宿泊事業というのは不特定多数の人が出入り、利用するため犯罪の温床になる可能性を秘めています。規模が大きな話になりますが、テロリストの滞在も可能性としてあります。他人を連れ込み、監禁することも可能です。他には火事、地震などの事故に備えた設備を整える必要があり、これらを許可するのが保健所(=県知事)なのです。宿泊施設が乱立してはいけない理由がわかりますね。

少し視点を変えてホテル、旅館業界に踏み込んだ話もあります。俗にいう(違法)民泊は既に旅館業を取得したホテル・旅館業者からの不満が多数寄せられています。大手に限らず、法律に沿って宿泊事業を継続している施設は、旅館業許可を取得するために多額の資金投資、設備投資に加え立地的な規制も受けています。ですが、後進組のAirbnbオーナー(違法民泊)組は無許可、無投資、違法地域で宿泊業を営んでいるため、不公平を訴えています。

これまでは「グレーゾーン」などと言われてきましたが、そんなものありません。人を泊めて、継続的に対価を得るサービスを提供していたらそれは宿泊業です。厳しい方の制裁が待っているでしょう。

簡易宿泊所、民泊新法それぞれのメリット・デメリット

民泊新法について法の概要は出ていますが、具体的な活用内容はまだわかっていませんのが、予想できる内容をもとに説明します。。

簡易宿泊所

事業として考えるなら、簡易宿泊所の許可が必須でしょう。

メリット

  • 正規の旅館業許可なので地域的、対外的にも合法的に運営が出来る
  • 宿泊日数制限は当然なし
  • 俗世的にも評価が高い
  • 有名な宿泊サイトにも登録できる
  • 売却、オーナーチェンジにも強みが出来る

デメリット

  • 許可を取るまでに費用が掛かる
  • 許可取得迄に時間が掛かる

民泊新法

条件がハマれば参入しやすい。けれど規制対象もおおく、近隣住民の理解も必要。

メリット

  • 届け出制の為、初期費用が少ない
  • 実施エリア内であれば運営可能

デメリット

  • 営業日数に規制がある(収支の計算が難しい)
  • 実施エリアでも規制を多く受ける
  • 実施エリアでも物件管理者(マンション管理、家主)の許可が必要

物件活用ならおすすめはどっち?

それぞれにメリット・デメリットがありますが、事業として考える物件活用の観点で言えば民泊新法の活用ははおすすめできません。営業日数の規制、住民の理解など個人では対処しきれない対外的な影響が多く発生するからです。仮に、運営までこぎつけても途中で頓挫してしまう事になります。但し、民泊新法を活用するメリットがある人が多いのも事実です。既に新法の実施エリアに住んでおり、在宅型(空いた部屋をシェア)する形であれば、導入~実施の費用負担もなく「+@」で月に数万円の収益(おこずかい)が上がる目算ができます。

まとめ

今回は民泊新法をテーマに、簡易宿泊所(旅館業許可)の違いを説明しました。これを読んでいるあなたは宿泊施設を運営したいという「志」ある方だと思いますが、宿泊施設の運営は簡単な事ではなく、場当たり的な運営方法では失敗してしまいます。加えて、新法のように不確定要素が多いものに頼ることも不安要素です。新法はすばらしいもので、可能性も多いですが物件活用の観点でみれば「超短期的」活用に限られてしまいます。あなたに合った物件活用に出会えればうれしいです。

いつかお会いしましょう!