沖縄に大手ホテルが続々参入!市場データから考える沖縄ホテル事業の未来とは?
こんにちは。民間リゾート請負人の田口です。
私たちが専門に扱う「民間リゾート」についてお話します。近年、安易に流行ってしまった「民泊」となにが違うのか?を理解してもらうにはとっても大切なお話です。ぜひ、目を通してください。
民間リゾートとは?
わたしたちが定義する「民間リゾート」とは、大企業、または⼤資本が無くとも、個人が観光客を対象とした宿泊施設の運営事業に参入することをテーマとして参入している「宿泊施設の新しいカタチ」です。
従来、宿泊施設の運営および開発には莫大な資産投資、高利回り、且つリスクヘッジが成された事業でなければ成功しないといわれていました。加えて、通年的な集客を確保する必要があり2020年の東京オリンピックなどの突発的なイベントに頼ることなく、施設の根本的な魅力、価値の発見を見出すことが「民間リゾート」の立ち位置と考えています。
民泊とは?
2018年6月に住宅宿泊事業法(俗にいう民泊新法)が施工されることが決定しましたが、理解しておきたい事は「民泊」という宿泊ジャンルは日本の法では存在しないということ。
▼日本にある旅館業種別(旅館業法)
引用:http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/seikatsu-eisei04/03.html
【旅館業の種別】
旅館業にはホテル営業、旅館営業、簡易宿所営業及び下宿営業の4種がある。(1)ホテル営業
洋式の構造及び設備を主とする施設を設けてする営業である。(2)旅館営業
和式の構造及び設備を主とする施設を設けてする営業である。いわゆる駅前旅館、温泉旅館、観光旅館の他、割烹旅館が含まれる。民宿も該当することがある。(3)簡易宿所営業
宿泊する場所を多数人で共用する構造及び設備を設けてする営業である。例えばベッドハウス、山小屋、スキー小屋、ユースホステルの他カプセルホテルが該当する。(4)下宿営業
1月以上の期間を単位として宿泊させる営業である。
ここでもわかる様に旅館業法のなかに「民泊」という言葉は出てきません。新法も「住宅宿泊事業法」となっていますよね?新法のなかには「家主居住型」「家主不在型」とわけていますが、民泊ではないのです。
民泊を定義すると?
むりにでも定義づけるなら「家主居住型」=ホームステイをイメージするとわかりやすいです。言い換えれば「友達の家に泊まる」「親戚の家に泊まる」が民泊と言えるでしょう。
民泊はダメなの?
間違えてはいけないのは、「誤った」民泊というジャンルに属さないことです。民泊を否定しているわけではありません。Airbnbに代表されるように、空いたお部屋を提供して多くの宿泊者を受け入れるシェアリングサービスは素晴らしいものですし、間違いなく今後も間違いなく伸びていくでしょう。
その反面、流行りや法の抜け道を見つけ、無許可での運営が横行しているのが現状です。その状況を打破するべく新法(住宅宿泊事業法)が施工されるのですが、無許可の問題はなくならないでしょう。
なぜ無許可がだめなの?
わたしもよく質問されますが、無許可は絶対にダメです。日本では事業を営む場合、それぞれに許可が必要な場合があります。
▼許可が必要な事業の例
- 飲食業=飲食業許可
- 不動産=宅地建物取引
- 建築業=建築業許可
- 銀行業=銀行業許可
- 旅館業=旅館業許可
これらの許可を取らずに「業(商売)」を行えば、違法です。これまでシェアリングサービスと題してAirbnbが流行ってしまいましたが。俗に言う民泊も「宿泊業=人を泊めて継続的に対価を得る」に属します。にもかかわらず無許可で運営できてしまっていたことにより、悪しき宿泊業=民泊という風潮が広がっているのも事実です。
なぜ無許可でやるの?犯罪者ばかり?
違法なら許可を取れば良いのでは?と思われますが、これだけ無許可(違法)営業が横行してしまったことには理由があります。簡単に言えば、旅館業許可を取得するためには高度な専門知識を擁するのです。これらは行政書士の専門分野ですが、許可証取得のために「建築基準法・消防法・都市計画法」など、たくさんの法律的しがらみが発生するのです。その為、素人が簡単には手が出せず「他もやってるから平気・・・」と安易な闇民泊が横行してしまったのです。
私たちもできる範囲はこの部分のサポートもしていますが、一般に行政書士にお願いすれば20~50万円程の費用が掛かります。加えて旅館業許可に必要な消防、設備等の費用が発生するので、先行投資が大きく簡単には手が出せないのです。
とはいえ、これらの設備的投資は、健全な法の下に沿ってクリアしなければならない必要経費です。許可がなければ違法(犯罪)。悪しき民泊は「罪」なのです。
民間リゾートの可能性
個人の立場で宿泊業を営むことは非常に大変です。ですが、様々な条件を加味して私たちはここに可能性があると感じています。民間リゾート=「不動産の新しい物件活用」と言いかえても良いでしょう。
全国的な空き家問題を遊休資産と捉え、宿泊施設として生まれ変わる可能性を提案しています。加えて、場当たり的な施設改良、設備投資をおすすめしていません。前述しましたが、民間リゾートは「大企業、⼤資本が無くとも、個人が観光客を対象とした宿泊施設を営む」ことです。
そう考えたとき、民間リゾートとは、今後数十年にわたって宿泊施設を営んでいくわけではなく、家主(オーナー)の都合や事情によって、様々な用途としても転用可能な物件でなくてはならないと考えています。最小限の設備投資と地域環境、観光事情を加味した提案と集客、運営をすることが民間リゾートに求められるのです。
民間リゾートの特異性
民間リゾートとしての物件活用には⼤きなリスクヘッジがあります。わたしたちが運営に関わる施設のなかには、既に旅館業許可を取得して運営をしていた施設もあり、現状の集客に焦りを感じて、過剰な設備投資をするべきかどうか?悩んでいるケースがありました。
偶然にも投資前のご相談だったので今後のプランや内情を伺い、設備面への投資(改装)を先送りすることにしました。その場所、施設であれば民間リゾートとして必要なことは施設の設備にあるわけではないと判断したからです。
結果、わたしたちはその改装を行うことなく、施設PRや価格設定、プランの見直しだけで、求める収支を達成することができましたが、「民間リゾート」には現状ある遊休不動産を宿泊施設として如何に上手(効率よく)に提案していく事ができるか?が求められます。
民間リゾートの様に、予算上限があるなかで新築参入するには、リスクヘッジとして物件の「出口」をいかに⼤きく取れるかという事が大切です。出口とは、今後訪れる物件の次の活用法です。
意外に思われますが1つの(1物件)民間リゾートの寿命は長くても10年~20年です。家主(オーナー)の都合、売却、建物の劣化が起こるのがその理由です。大企業、大資本のホテル会社ではないのですから当然のことです。そのため、民間リゾートの物件は「貸切型」や「レジ(マンション)型」が多くなりますし、その形態が転用、売却を考えたうえで望ましいカタチと考えます。
民間リゾートの考え方
宿泊施設の運営では常に多くの外的要因が影響します。稼働率や単価は⽴地や競合によって日々変化するので、それぞれに細かなPR戦略を取っていくことが重要です。わたしたちスターリゾートは、建物が使い捨てられる時代に終⽌符を打ちつつ「全国的な空き家問題」「流通性の高い中古物件市場の開拓」「地⽅創生」等を使命として活動しています。
「収益・商業・実需」などの様々な用途として利用可能な「⺠間リゾート建築物」を今後の全国的なニーズとして各地で展開していきます。今後、広がりを⾒せる「観光」「不動産」「建築」の問題を融合させることが民間リゾートとしての立ち位置であり、地域の問題や、新たな不動産投資の形を切り開いていけるものです。
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